2023年02月02日(木) [長年日記]
■ [shell][unix] Bashでリダイレクト時のディスクリプタ番号自動生成
Bashのリダイレクトについては以前にメモした。
このときメモしていなかったが、件のメモで「[n]」と書いている部分は「{varname}」のように書くことができる。こう書くと、ファイルディスクリプタの番号が自動的に生成され、その番号が変数varnameに設定される。
$ echo hello {a}>/tmp/oreore hello $ echo $a 10
Bashのmanから引用しておく。
ファイル・ディスクリプター番号で始まるリダイレクトでは、 代わりに {varname} という形式の単語で始めることもできます。 この場合、>&- と <&- 以外のリダイレクト演算子では、 シェルは 10 より大きいファイル・ディスクリプターを割り当て、 varname に代入します。 {varname} で始まる >&- や <&- の場合には、varname の値は クローズするファイル・ディスクリプターを示します。
2023年02月03日(金) [長年日記]
■ [shell][unix] nohupは必要
以前、Bashがデフォルトではログアウト時にSIGHUPシグナルをジョブへ送らないことをメモした。
だから、Bash使用時にnohupコマンドを使う必要はないと思っていたが、そうではなかった。nohupは必要だ。
単にログアウトした時にはSIGHUPは送られないのだけれど、ログインした状態で端末ソフト(自分の環境だとWindows Terminal)を終了するとSIGHUPは送られるようで、このときバックグラウンドプロセスは終了してしまう。
nohupは指定したコマンドがSIGHUPを無視するようにしてくれるので、使っているシェルの挙動とは無関係にSIGHUPによるプロセス終了を避けられる。ただし、SIGHUP以外のシグナルを受けてプロセスが終了してしまうことはあることに注意。
次のページが参考になるのでメモ。
自分でも試しておく。
huponexitオフでログアウトした場合
Bashのデフォルトの設定だと、ログアウトしてもバックグランドプロセスは終了しない。
% bash --login $ shopt huponexit huponexit off $ sleep 200 & [1] 9224 $ nohup sleep 100 &> /dev/null & [2] 9225 $ exit logout
% ps u -C sleep USER PID %CPU %MEM VSZ RSS TTY STAT START TIME COMMAND kenichi 9224 0.0 0.0 5364 560 pts/16 S 18:18 0:00 sleep 200 kenichi 9225 0.0 0.0 5364 560 pts/16 S 18:19 0:00 sleep 100
huponexitオンでログアウトした場合
huponexitを有効にすると、nohupを使っていないバックグランドプロセスは終了する。
% bash --login $ shopt -s huponexit $ shopt huponexit huponexit on $ sleep 200 & [1] 9233 $ nohup sleep 100 &> /dev/null & [2] 9234 $ exit logout
% ps u -C sleep USER PID %CPU %MEM VSZ RSS TTY STAT START TIME COMMAND kenichi 9234 0.0 0.0 5364 560 pts/16 S 18:21 0:00 sleep 100
huponexitオフで端末ソフトを終了した場合
huponexitが無効であっても、ログイン状態で端末ソフトを終了するとnohupを使っていないバックグランドプロセスは終了する。
% bash --login $ shopt huponexit huponexit off $ sleep 200 & [1] 9241 $ nohup sleep 100 &> /dev/null & [2] 9242 $ (この状態で端末ソフトを終了する)
% ps u -C sleep USER PID %CPU %MEM VSZ RSS TTY STAT START TIME COMMAND kenichi 9242 0.0 0.0 5364 496 ? S 18:23 0:00 sleep 100
2023年02月04日(土) [長年日記]
■ [shell] Bashで配列の各要素の先頭に文字列を追加する
Bashで配列の各要素の先頭に文字列を追加する例をメモ。
$ a=(a b c d e) $ echo "${a[@]/#//home/}" /home/a /home/b /home/c /home/d /home/e
Bashのパラメータ展開の次の機能を使っている。
${parameter/pattern/string}
パターンの置換。pattern が展開され、パス名展開の場合と同じようなパターンを作ります。parameter の展開が行われ、その値のうち pattern に最長一致する部分が string に置換されます。pattern が / で始まる場合には、pattern にマッチした部分は全て string に置換されます。そうでない場合には、最初にマッチした部分だけが置換されます。pattern が # で始まる場合には、パターンは parameter を展開した値の先頭にマッチしなければなりません。pattern が % で始まる場合には、パターンは parameter を展開した値の末尾にマッチしなければなりません。string が空の場合には pattern にマッチした部分は削除されます。またこの場合には、pattern の後に続く / は省略可能です。parameter が @ または * である場合、置換操作は全ての位置パラメータに順番に適用され、展開結果はリストとして得られます。parameter が @ または * が添字になっている配列変数である場合、置換操作は配列の全ての要素に順番に適用され、展開結果はリストとして得られます。
2023年02月06日(月) [長年日記]
2023年02月14日(火) [長年日記]
■ [dev] ROS2でノードに対するテストを書く
ROS2にlaunch_pytestというものがあることを知った。これを使えばノードを立ち上げて外部からその振る舞いをテストすることができる。
Writing a simple publisher and subscriber (Python)にあるMinimalPublisherをテストするコードをメモ。
まず、テスト対象ノードと通信するテスト用ノードを作成する。topicトピックを購読して、受信したメッセージをキューに保存するだけ。
from queue import Queue from rclpy.node import Node from std_msgs.msg import String class DummyNode(Node): def __init__(self): super().__init__("dummy_node") self.topic_queue = Queue() self.topic_subscription = self.create_subscription( String, "topic", self._receive_topic, 10 ) def _receive_topic(self, msg): self.topic_queue.put(msg)
テスト本体は次の通り。
import queue import launch import launch_pytest import launch_ros import pytest import rclpy from concurrent.futures import ThreadPoolExecutor from dummy_node import DummyNode @launch_pytest.fixture def talker_description(): return launch.LaunchDescription( [ launch_ros.actions.Node( executable="talker", package="py_pubsub", output="screen", ), ] ) @pytest.fixture(scope="session") def thread_pool(): pool = ThreadPoolExecutor() yield pool pool.shutdown() @pytest.fixture def dummy_node(thread_pool): rclpy.init() node = DummyNode() thread_pool.submit(rclpy.spin, node) yield node node.destroy_node() rclpy.shutdown() @pytest.mark.launch(fixture=talker_description) def test_talker(dummy_node): for i in range(10): try: msg = dummy_node.topic_queue.get(timeout=2.0 / (i + 1)) assert msg.data == f"Hello World: {i}", f"index={i}" except(queue.Empty): pytest.fail(f"no message. index={i}")
- @launch_pytest.fixture を指定して、launch.LaunchDescriptionの配列を返す関数を定義する。ここにテスト対象ノードの情報を記述することで、テスト時にそのノードが立ち上がる。配列なので複数のノードを立ち上げ可能。
- dummy_nodeというフィクスチャで先に定義したDummyNodeノードを生成して立ち上げている。ThreadPoolExecutorを使って別スレッドで動くようにしている。
- テストは @pytest.mark.launch で修飾し、先に定義したlaunch.LaunchDescription配列を指定する。メッセージを受信する間隔がだんだん短くなるようにしているので、ループの5回目くらいでテストが失敗する。
2023年02月21日(火) [長年日記]
■ [c++] OpenMPの処理結果をスレッド番号順に並べる
先日書いたOpenMPの例は、作られるvectorの要素の順序が毎回変わってしまう。毎回同じ結果を得るにはどうしたらいいか。
- openmp ordering critical sections (Stack Overflow)
の回答を見てなるほどと思った。スレッド数分だけループして、#pragma omp orderedで順番に処理させている。
先日の例に適用してみる。「schedule(static,1)」は指定してもしなくても同じだと思うので指定していない。
#include <iostream> #include <vector> #include <omp.h> std::vector<int> make_vector(int size) { std::vector<int> result; #pragma omp parallel { std::vector<int> local; #pragma omp for nowait for (int i = 0; i < size; ++i) { if (i % 2 == 0) local.push_back(i); } #pragma omp for ordered nowait for (int i = 0; i < omp_get_num_threads(); ++i) { #pragma omp ordered result.insert(result.end(), local.begin(), local.end()); } } return result; } int main() { const auto max_threads = omp_get_max_threads(); std::cout << "max_threads = " << max_threads << std::endl; const auto v = make_vector(max_threads * 10); std::cout << "v.size = " << v.size() << std::endl; for (auto e : v) { std::cout << e << ", "; } std::cout << std::endl; }
max_threads = 6 v.size = 30 0, 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30, 32, 34, 36, 38, 40, 42, 44, 46, 48, 50, 52, 54, 56, 58,